意思伝達装置について
2023-10-27
みなさま、こんにちは。
今回は、意思伝達装置についてお話したいと思います。
意思伝達装置「重度障害者用意思伝達装置」とは、
ALSなどの難病や頭部外傷後遺症などで
会話や筆談が困難になられた方のための装置で、
言語や肢体が不自由でも、わずかでも動く身体の部位を感知して、
コミュニケーションを行うことを可能にする装置のことです。
ソフトウェアが組み込まれた「本体」(デジタル機器/ソコンなど)と、
利用者の身体の動きを感知する「スイッチ」から構成されています。
「スイッチ」は、キーボードやマウスの役目をしてくれるものと
思っていただければ、理解しやすいかもしれません。
スイッチの操作部位と条件は
頭部 ・・・・ 首が動き、頬や頭部でスイッチを押すことができる
腕 ・・・・ 肩が動き、腕や肘でスイッチを押すことができる
手掌 ・・・・ 握りこむ動作でスイッチを押すことができる
指 ・・・・ 手首は動かないが、指でスイッチを押すことができる
足 ・・・・ ひざ、もしくは足首が動き、足や足首でスイッチを押すことができる
額、頬、顎 それぞれの部位を動かすことができる
唇、舌 ・・ それぞれの部位を動かすことができる
瞬き ・・・・ 意識的に目を閉じることができる
眼球 ・・・・ 目を動かすことができる
呼気 ・・・・ 息を吸う、吐くことで圧変化をおこすことができる
発声 ・・・・ 声を出すことができる
となります。
例えば、視線入力の方法です。
視線でキーボードの「文字」を選んで、注視(一定時間見つめる)することにより「文字」を確定します。
次に「発話」を注視することにより、選んだ文字を装置が「読み上げ」てくれます。
それぞれの本体機種により、多少の違いはありますが、
主な機能としては、
スイッチで文字を入力し、装置に読み上げさせて「言いたいこと」を伝えるですが、
音(ブザー)を鳴らして人を呼んだり、
テレビなどをリモコンのかわりに操作したり、
インターネットやメールを使ったりすることもできます。
日々進化している分野ですので、可能性は無限にありますね。
2006年10月より、意思伝達装置とそのインターフェイスであるスイッチ類が
あらたに補装具として加えられました。
現在、日本には、言語と四肢すべてが不自由な方は10万人いると言われています。
しかし実際に意思伝達装置の利用申請は年間1,000台にも満たないとのことで、
コミュニケーションにお困りの方、このような装置をご存じない方が多くいらっしゃいます。
同じ装置を使っても動かせる場所が違えばスイッチも違ってくるので、
利用者の方に合わせて誤作動なくスイッチが検知できる
身体の場所の特定や操作性、その強さなどを調整し、
その方の「マイスイッチ」として、研究開発されています。
支給の条件は個々の身体症状等により異なりますが、
お一人でも多くの方のコミュニケーションのお役に立てればと思っておりす。
(I)