とろみ剤について
2022-07-19
みなさま、こんにちは。
今回は、とろみ剤についてお話したいと思います。
病気や加齢によって飲み込む力(嚥下(えんげ)力)が落ちると、
飲み込むときにむせたりすることがあります。
サラサラした飲み物が急に喉を通過すると、びっくりしてしまうのです。
そのため、飲み物が喉へゆっくり送り込まれるようにとろみをつけます。
嚥下したものが、喉を通過する際のまとまりや速度が調節でき、
誤嚥するリスクを減らすことができます。
とろみ剤は大きく3種類に分類されます。原料が異なり、それぞれの用途も異なります。
① デンプン系
主原料 デンプンやデキストリン(デンプンの加工品)
出来上がり ポタっと
特徴 デンプンなので、エネルギー補給ができる
唾液により粘度がさがりやすい
とろみをつけるのに、使用する量が多い
においが変わってしまうことがある
② グアーガム系
主原料 デンプンと増粘多糖類(グアーガムなど)
出来上がり トロっと
特徴 少量でとろみが付きやすく経済的
唾液の影響を受けにくい
使用量が多くなるとべたつきが増す。
温度によって粘度の発現にバラツキがある
時間の経過により変化しやすい
③ キサンタンガム系
主原料 増粘多糖類(キサンタンガム系)
出来上がり するっと
特徴 透明感があり、味に影響しにくい
とろみが安定しやすい
べたつきがない
温度によって粘度の出るタイミングが異なる
とろみをつける際にご注意いただきたいことは、とろみ剤の計量は
正確にはかりましょう。慣れないうちは、分包タイプのもが便利です。少量のとろみ剤の違いで、出来上がりに差が出ます。
とろみが強いと、食品の触感や風味が損なわれることがありますので、
適量を守ってください。
また、粘度が低いからと、とろみ剤を追加することもやめてください、
ダマになりやすいです。
出来上がってすぐは、安定しないので、それぞれの使用方法に書かれている
時間をおいてから、とろみの濃度を確認して、提供するようにしてください。
食品によってはとろみのつけにくいものもあります。
例えば、スポーツドリンク、果汁飲料、お茶、牛乳、みそ汁などです。
これからの暑い季節、水分補給のためにも、摂取しやすい
とろみをつけた飲み物を準備して、安心して、
水分補給することを心掛けてください。
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