口腔ケアについて
2022-05-25
みなさま、こんにちは。
今回は、高齢者の「口腔ケア」について、お話したいと思います。
口腔ケアは、「器質的口腔ケア」といわれる口の中の細菌や汚れを取り除くことと、
口腔機能訓練やマッサージをする「機能的口腔ケア」に分類されます。
口の中の細菌が増加し、それらが気管から肺に侵入(誤嚥)することで、
誤嚥性肺炎の危険が高まります。特に要介護高齢者は複数の病気をもっていることが多く、
栄養状態も良くないことから、誤嚥性肺炎などの感染症は重篤化しやすい状態にあります。
また、口の中の細菌は歯周炎だけでなく、口の粘膜の炎症の原因になります。
これらの炎症は口から全身に波及し、発熱などを惹起するため、低栄養や脱水に陥ったり、
免疫機能や体力の低下を招いたり、血管など他の身体の臓器を障害したりします。
口は身体の一部であり、口の健康は全身の健康ともつながっています。
口腔内は普段、ほかの人に見られたり、触られたりすることのない部分です。
口腔ケアを始める前に十分説明し、同意を得る必要があります。
しかし、認知機能が低下している場合など、拒否されてしまうことがあります。
虫歯や歯周病に罹患している場合、食事の刺激さえ苦痛になって
十分な食事や水分さえ取れなくなることがあります。だからと言って
口腔ケアを行わないことは全身の状況も悪化させる可能性があるので、
まずは「気持ちよさ」や「さっぱり感」を体感してもらうことから始め、
無理なく継続していくことが必要になります。
手順としては、
1.口腔内のチェック 口腔内に痛みの原因となる、口内炎や欠けた歯や歯肉の腫れ、義歯による傷などをチェックします
2.介助は最小限で 自助具や体の状態に合わせた清掃具を活用し、できるだけ本人にしてもらうことが大切、
不足分のケアを介助者が行う気持ちで
3.誤嚥に注意 嚥下機能が低下している場合は、顔を横に向け、水分や汚れが気管に入らないように注意します。
水分は出来るだけ少なくして、吸引器や綿棒、ガーゼなどで水分を除きながら行います
4.口腔内の乾燥に注意 加齢や薬の副作用などで唾液が減少すると、口腔内が乾燥するようになります。
口の中に細菌が増加し、粘膜も弱ることによって感染リスクが高まります。口腔湿潤剤などを塗布して
保湿したり、口腔機能訓練やマッサージを行うことで、唾液の分泌を促すことが大切です。
口腔ケアを行う際に使用する主なものは、
歯磨き(ブラッシング)に使うもの
①歯ブラシ (ヘッドは小さめ(奥まで届きやすい)、ブラシは出血しやすい場合は、やわらかめがよい)
②ワンタフトブラシ(部分歯ブラシ)
③吸引できる歯ブラシ(吸引装置に繋いで使用。歯垢除去と同時に吸引が行える)
④歯間ブラシ(歯間部の清掃に使用。隙間の大きさにあわせたサイズを選択する)
粘膜ケアに使用するものは、(絶食中には必須)
⑤綿棒「綿球+止血鉗子」でも可 使用感は非常にやわらかいもの。表面が汚染されるとすぐに
ツルツルになり清掃効果が低下するため、適宜交換する止血鉗子は綿球を把持しやすいため、
ピンセットより安全に行いやすい
⑥スポンジブラシ 頬・舌・口蓋の清拭に使用する
⑦くるリーナブラシ 毛が束になっており、清掃しやすい
⑧モアブラシ 毛が細かく密になっており、やわらかい使用感
⑨吸引くるリーナブラシ 吸引が同時に行えるくるリーナブラシ など
兵庫リハビリでは、さまざまな口腔ケアの商品を取り扱っております。
正しい口腔ケアを行い、お口の健康を保つお手伝いをさせていただきます。
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