パルスオキシメーターについて
2021-07-25
みなさま、こんにちは。
今回は、パルスオキシメーターについてお話ししたいと思います。
パルスオキシメーターとは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。
赤い光の出る装置(プローブ)を指にはさむこと(耳たぶにはさむものもあります)で測定します。
採血することなく測定できるので、体にも負担の少ない測定方法です。
肺から取り込まれた酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。
酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれる
ヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかを、皮膚を通して調べた値です。
プローブにある受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値からSpO2を計算し表示します。
酸素飽和度(SpO2)は肺や心臓の病気で酸素を体内に取り込む力が落ちてくると下がります。
睡眠時無呼吸症候群の簡易診断にも利用されます。加齢によってもある程度低下し、労作時にも変動します。
一般的に96~99%が準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)
になっている可能性があるため、適切な対応の目安になります。
パルスオキシメーターは簡単に測定することができますが、その測定結果に誤差を与える要因がいくつかあります。
体動によって発光部と受光部がずれる場合、指先の冷えなどで測定部に血流が十分にない場合、
マニキュア(透明でも誤差がでることがあります)などで光の透過が邪魔される場合などに、
正しく測定されないことがあります。 酸素飽和度(SpO2) は一定時間、あるいは一定の脈拍毎に得られた値を
平均して表示していますので、装着直後ではなく、脈拍が安定する20~30秒後の数値を読んでください。
また、プローブによる低温熱傷も報告されています。プローブは一定時間毎に装着部位を変更するように
記載されていますので、つけっぱなしにご注意ください。
今までは、病院の手術室や集中治療室など、主に病院で使われる事が多かったですが、
新型コロナウィルスで一気に名前が知られるようになりました。
「パルスオキシメーターの数値によって、新型コロナウィルスの感染判断が可能」という情報が流れ、
一般家庭で感染予防目的のために多くの人が購入され、一時入手困難となりました。
測定値のもつ意味はその人の状態やかかっている病気によっても異なるため、
感染の有無を調べる装置ではないのですが、みなさんの目に見えない感染への不安の表れから、購買が殺到しました。
パルスオキシメーターの測定値については主治医など医療専門の指導を仰ぎ、正しく使用するようにお願いいたします。
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